ルイヴィトン製品のケア紹介です。
皮革製品全般のケアを承っていますが、ご依頼の多いルイヴィトンの製品を例に紹介していきます。
ヌメ革のケア
ルイヴィトンなどの製品に使われているヌメ革は、性質として、大気中の水分や太陽の紫外線により革の色が徐々にあめ色にエイジングしていきます。ヌメ革のケア用品は大きく二つに分けると、①ヌメ革専用クリーム②デリケートクリームの二つになります。当工房でお代を頂いて行うケアはもう少し色々なものを使ってプレミアムなケアを施しますが、初めてケアを自分でやってみたいという場合はこの辺りになるでしょう。
ほとんどの方は名称から①をチョイスすると思いますが、比較的新しい製品であれば問題ないですが、できるだけ今の革の風合いを変えたくない、少し年季の入った製品、あるいは雨染みなどが多少発生してしまっている状態のものに対しては②デリケートクリームをお勧めします。また、①の場合、大体のものがホホバオイル等のオイル系の成分が入っているため、色味がかなりガラッと変わります。無染色のヌメ革に対するオイル仕上げは難易度も少し上がります。初めて使うと色味の変化にびっくりして途中でやめてしまったり、塗りムラを作ってしまうことでシミ(のように見える状態)にしてしまうケースがあります。反対に塗りすぎるとベタベタして手触りが悪くなります。
デリケートクリームの利点は、比較的年季の入ったモノ、今までケアを怠ってほったらかしにしていたモノにもトラブルなく使えるところでしょう。人間で例えると美容液のようなものでしょうか。革の保湿(保革)に効果的です。
色々なメーカーから出ていますが、ルイヴィトン製品に関して言うとコロニル社のデリケートクリームが相性がいいように思います。
ドイツ製の最高級ケア用品、コロニル。コロニルのデリケートクリームは素材の風合いを極力変えないところと、保湿力に加え、クリーナーの機能も果たしてくれます。ケア用品の中では最も「余計なものが入っていない」用品ですので、デリケートな皮革に使えますし、もちろんあらゆるスムースレザーに対応します。
実際に乗せてみましょう。風合いを変えない、といっても基本的にケアをすると風合いは変わります。乳化性クリームはカサカサになった革に水分補給をするわけですから、水分を含ませた分、若干色味はトーンダウンします。しかしこの変化はむしろ健康な状態に戻ったというサインと捉えてもらえばいいと思います。
ヌメ革のケアで守ってほしい事があります。
一つはこするようにして革にストレスをかけない事。ごしごしやると、摩擦熱で革が変色してしまいます。クリームをまんべんなくのせ、余分をふき取るだけで汚れがウエスに取れます。
入れた直後。デリケートクリームは浸透力が高いので、入れた瞬間はまっ茶色になります。この時あちゃー・・・と思うかもしれませんが、クリームが浸透して落ち着くとムラがなくなりますので大丈夫。この時大事なのが、ビビってしまい途中でやめたり、塗りムラができてしまわないようにすること。薄くウエスに取りながら、思い切りよく全体を均等にしっかり濡らすように入れるのがポイントです。指に小粒大に取りながら円を描くように塗り込んでいくようにして、余分をウエスでふき取るようにしてもOKです。
モノグラムのケア
モノグラムのケアにはコロニル社/レザーソープがお勧めです。こちらも大変お勧めの製品で、合皮、スムースレザー全般に使用できます。泡タイプのクリーナーは難易度は一番低いので失敗もないと思います。
ヌメ革にも使えないことはないですが、素材別に分けて対処したほうが簡単かと思います。順番もヌメ革のケア→モノグラムのケアという風にやった方が失敗がありません。
さっと拭いてこのくらい汚れが取れます。モノグラム・ダミエ等のトアル地は、汚れを落とすだけでケア終了です。
アフター。ヌメ革の色味も落ち着いて、柔軟性が出ました。モノグラムも本来の輝きを取り戻しました。
財布のお手入れもやってみましょう。よく見る茶色の内装全体は型押しのレザーです。ポケット内装ののっぺりした部分は合成皮革です。この場合は丸々レザーソープで表裏内装全部ふき取って構いません。
かなり汚れていたのがわかります、、内装レザー部分はレザーソープ→デリケートクリームの順に入れるとよいでしょう。モノグラムとダミエは同素材なので基本手入れはおなじです。
エピはどうでしょう?エピは型押しレザーですので、全体レザーソープ→皮革部分はデリケートクリームでOKです。
いかがでしたでしょうか?今回は初めてでも誰でも簡単にできるケア方法を紹介してみました。ケアの効果は単に汚れを落とすだけでなく、保革により乾燥からくるひび割れ、裂けによる破損を防いだり、水分補給をすることでシミなどのトラブルを軽減する効果もあります。面倒に感じるかもしれませんが、半年、1年に一回やるだけでも5年10年後の状態に大きく差が出ますので、無理のない範囲でケアをしてあげましょう。
コロニル社の製品は当工房でもご購入いただけますので、お問い合わせください。
以上、今回はケアについてのお話でした!