ルイヴィトン、ダミエのバッグの特長的な革、当工房では風合いの近くハリのあるレザーをダミエ修理、パーツ交換用素材としてそろえています。
上画像はハンドルの新規作製ですが、ハンドル以外の周りの既存のパーツと比べてみて、レザーの風合いの差。ほぼ見分けがつかないんじゃないでしょうか!
アップでもう一枚。
オリジナルの立体成型もなるべく雰囲気を似せて作っています。元は中に合成ゴムのような芯が入っていたのですが、ハリのある銀つきの本革で芯を作ってあります。つまり、表に使うレザーを芯材にもぜいたくに使っているという事ですね。こうした仕立てのいいところは内部の合成芯材が先に劣化したり折れたりしてパーツの寿命を短くしてしまう心配がないところです。しかし、レザーは案外伸びる性質があるのでパーツの形状がゆがんだりしないようテープ芯を仕込んで引張り耐性もアップさせています。
モノグラムのヌメ革と違って、ダミエのレザーは顔料調ヌメになります。クロム鞣しの革や顔料調レザーはコバを叩いてフィニッシュをかけれないので、コバ塗料を使ってコバ処理をします。ここでも国産のコバ塗料ではなくユーロ製の塗料を使って仕上げます。海外ブランドの中でも最高クラスのブランドさんで使用されている塗料を使用していますので、革に対する定着力、塗料の硬度と柔軟性を同時に兼ね備えている優れものです。
こちらはレザーストラップの新規作製。
大量生産のパーツの場合、明らかに貧相で耐久性に難があるようなパーツづくりがなされていることも多いので、そういった時は見た目が大きく変化しない範囲で少し厚みを出して作ることもあります。ストラップもハンドル同様、テープ芯材を入れて強度をアップしています。
ダミエのレザーのほかにもモノグラム製品のヌメ革、グッチのバッグ特有のアメ豚(豚革のヌメ革ですね。)なども近い風合いのレザーをオーダーで作っています。これは当工房オリジナル。民間リペアショップには純正のレザーを取り扱うことができません。しかし、最大限風合いを損なわないよう、一点の製品を修理するためにレザーのオーダー作製までやります。
その他特殊なレザー、例えば型押し革、メタリックカラーなどの特殊カラーなども再現できる限りはトライさせていただきます。
以上、今回はルイヴィトン・ダミエの修理素材とパーツ作製事例を紹介しました。