ルイ・ヴィトン モノグラム ソミュールの修理

ルイ・ヴィトン 廃番ソミュール型のリペア

現在、ソミュール35、ソミュール43など定番の型は廃番となっており、ルイ・ヴィトンから新しいシリーズのソミュールが何点か出ているものの、少しデザインの変更がありますね。

廃番の品は、その、「今では手に入らないデザイン」に何より魅力があるわけですから、なるべく雰囲気を変えないように修理しなければいけません。

こちらがソミュール43。ダブルバックルが特徴的で、この形は現行ソミュールにはありませんね。

こちらのソミュールは必要最低限のパーツ交換をご希望でしたので、裂けてしまい皮革の状態も限界に近いストラップ一式と、中央のベルト2本、外側のフラップの革バインダー(縁取り)をぐるり1週交換しました。

アフター。負荷のかかるストラップとベルト部分を交換しましたのでひとまずバッグとして安心して使用できる状態に、ほぼ崩壊してしまっていたバインダーの交換により見た目もかなり見違えました。

 

ソミュール35 ヌメ革パーツの総交換とカスタマイズ事例

ソミュール35のヌメ革パーツの総替え。ソミュールタイプのバッグ本体を上から下に打ちとめているリベットですが、こちらはバッグ本体を上から下まで貫通できる金具の足の長さが必要であることと、通常のカシメと呼ばれる金具ですとやや強度が不安なため、より強靭な中空ビスと呼ばれる金具を使っています。

フラップと本体部分、下に回り込んでいるレザーストラップそれぞれは金具を外すとバラバラになっているので、打ちとめたビスの力だけで支えている構造になっています。なので他の一般的なバッグ構造に比べ金具の強度が必要になってくるわけです。

リペア屋としてはよく見てきたバッグが廃番になるのは少し寂しい気持ちがあります。同時に新しいバッグがゆくゆくリペアに回ってくる時期が来るので、新商品にもアンテナを張っておかなければなりません。悪いことばかりではなく、使い勝手が悪い部分が刷新され機能面では向上されていたりすることもありますね。

機能面、というところでソミュールのバッグに話を戻しますと、ストラップの構造がバッグと一体型になっていて、ストラップ周りの自由度が少ないところがやや難点でしょうか。

上の画像はショルダーストラップを本体側と分離させ、Dカンとナスカンでつなぐ構造にカスタマイズしたものです。独立させることによりストラップの自由度が上がります。

さらにこだわっていくとこんなことも。

ショルダーストラップがストラップ単体で独立すればお好みのストラップに付け替えて使用感を変えることができます。上画像、お客様のご希望の長さでショートとロングのストラップをそれぞれ二つ作製したものです。シーンによって、まっすぐ肩掛け、斜め掛けと使い分けできますし、それぞれがさらにベルト穴で長さを微調整できますので可能性は無限大ですね。全く異なる鞄に独立したナスカン式ストラップを合わせてアレンジしてみるのも面白いかもしれません。

リペアで『元通り』に、ということに意識が行きがちですが、製品に対し抱えていたもう少しこうなればな、、という事。長くご愛用してきたからこそ見えてくるカスタマイズのご希望にもピッタリとイメージに合うご提案をできれば良いなと考えています。

こうしたカスタマイズのあるあるもできるだけわかりやすく情報発信していきます!

 

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