財布のファスナーが壊れたら…修理のタイミングとファスナー交換修理事例

財布のファスナーのトラブルについて。以前にもいろいろ書いていますが修理に出そうかお悩みの方々のご参考になれば幸いです。
お気に入りの財布がある日突然、閉まらない・開けれない・生地が裂けてしまった。。と言う事でショックを受けたご経験はありませんか?
何万円もするブランド品をファスナーがつぶれるたびに買い替えていたら、、なかなか恐ろしい話ですね。まずは「修理しよう!」と皆さん考えるはずです。
しかしブランドの正規リペア価格を見てビックリされる方は少なくないと思います。
海外ブランドで国内に加工場がない場合、ご愛用の品物は海を渡って修理への長旅をするわけです。そうなってくると修理費用というよりは、「旅行費」として高額な料金を覚悟しなければなりません。
そこで民間の修理屋さんでの修理を考える方も多いと思いますが、修理方法・材料・技術・価格はお店によってばらばらで、何らかの事情により(鮮明な)修理後のアフター画像などもオープンにしているところは少ないんじゃないかと思います。
そうしたモヤモヤを解決すべく、より多くの修理事例を挙げ、「修理って一体何するの?」というところを具体的に解説できればと思っております♪

 

ファスナーの交換修理のタイミング

ファスナー交換修理は簡易補修とテープ交換に分かれます。どのように見分けるか、簡単に解説してみましょう。

・スライダーの不具合は簡易補修で直る場合があります。

スライダーを開閉したときに閉まるはずの部分が開いてくる。そう言った症状の場合、スライダーパーツの交換でリーズナブルなお修理が可能です。

 

では上の画像ではどうでしょう?
一見スライダーの不具合に見えますが、よく見るとファスナーテープが裂けています。この場合ファスナー全交換ですね。
ちなみにファスナー交換修理は新規に取り付けるファスナーとの互換性を考慮してスライダーも新しいものと取り換えてしまいます。(基本、ロゴの入った引手チャームは再使用します。一部不可能なものもありますが。)
ですのでファスナー交換修理は、ファスナー本体交換+スライダー交換がセットになっているとお考え下さい。これはほとんどのお店で共通です。
使用するファスナーは国産YKK。世界シェアダントツ1位の信頼できる素材です。

 

Cartierカルティエ ラウンドファスナーの修理事例

・カルティエの装飾金具付きのラウンドファスナー交換。元通り修理できます。

カルティエのラウンドファスナーを例に見てみましょう。画像のようにテープが裂けてしまっている症状。スライダーの往復により生地に負荷がかかり結果このような状態に。
これは何も使い方が悪いという事ではなく、ファスナーというパーツ自体が使用頻度が高く消耗しやすいため、あらゆるパーツの中で一番にやられてしまうという、ごくごく自然な現象です。
テープの損傷はファスナーの全交換修理となります。一度縫製を解き本体をバラシて新しいファスナーテープを取り付けた後再縫製、といった作業になりますね。

・最高級ラインのYKKエクセラファスナーでのファスナー修理・交換

負荷のかかるラウンドファスナーは高級ファスナーでないと修理しても後々、不具合が出てしまいます!当工房ではYKKファスナーの最上級シリーズのエクセラファスナーをメイン使用しています。

 

ファスナー交換修理の工程 coachコーチ編

・定番のファスナー修理、実際の工程をご紹介。

次はファスナー交換の修理工程を見ていきましょう。財布の中身はこんな感じ。結構あっさりしてますね(笑)ぐるり一周のステッチを解き、内外にバラしファスナーを取り替えます。慎重に張り合わせた後、再縫製し完成です。これだけかい!と思われるかもしれませんが、結構難度の高い修理なんです。

・ファスナー交換の良い修理のポイントは?

どこの修理屋さんでも限らず、修理ビフォーアフターがあれば、よく注目してみてください。良い修理は角のラウンド部分のファスナーの張り合わせが正確かどうかで分かります。ここが正確かどうかで、同じ料金を出して同じ素材で修理していたとしてもファスナーの負荷のかかり方が変わってきますので修理したのにすぐ壊れた、という事が起こります。また、内装側の裏穴にしっかりと元通りステッチが落ちているかよく見てみましょう。財布のゆがみによりどうしても外れる場合はありますが、可能な限りしっかり穴合わせしておかないと修理したことが原因で二次破損を起こす可能性もあります。
通常、既製品としてのラウンドファスナーは木型を使用したりしてバッチリ取り付けるのですが、リペアに関しては手先の感覚で左右均等なテンションで張り合わせなければなりません。本体に歪みも生じているため、まっすぐ取り付けるという当たり前のことが難しかったりします。
また年季の入った物、形が変形している物ほど、裏のステッチ穴に元通り落とし込むことが難しい場合もありますのでそのあたりはご了承下さい。

 

修理事例 ルイ・ヴィトンのファスナー交換修理

ルイヴィトンの財布ファスナー交換。ミニラウンドファスナー、務歯が飛んでいたので交換修理致しました。小さい方が案外難しかったりします、、

ルイヴィトン 財布 修理

モノグラム ファスナー交換。チャーム再利用です。

ルイヴィトン 財布 修理

同じくダミエ ファスナー交換。

モノグラム・ミニウォレットのファスナー交換。サイズが小さいので、きれいに取り付けるのが難しいですが、コーナーのテープのテンションが均一で裏側のライニングのステッチ穴に元通り糸が入っているのがお分かりいただけるかと思います。

 

ボッテガ・ヴェネタのファスナー交換修理

・豊富なファスナーの種類で違和感のない修理が可能です。

ボッテガ製品用にニッケルのアンティーク色での修理が可能です。なるべく雰囲気を損なわないよう、ブランドの個性を尊重します。

これだけたくさんのカラーバリエーションがあります。全国から郵送でご依頼品が送られてきます。ファスナーカラーが特殊なものは発注に少し期間をいただく場合がありますのでご了承ください。

ボッテガのラウンドファスナー交換は大変ご好評いただいており、年中問い合わせが止みません。うれしい悲鳴ですね(泣)

エルメスの財布ラウンドファスナー交換

エルメスのラウンドファスナー交換もたくさんの修理実績がございますので安心してご依頼ください。本体のエルメス特有のコバ(側面)顔料の再塗装、引手の新規作製なども追加オプションで可能です。

ATAOのL字型ファスナー交換

人気のATAOの財布。表面の皮革のデザインと小銭入れの構造で使いやすさに定評のあるATAOのファスナーウォレット。こちらも製品ごとに近い色のコイルファスナーを取り寄せて修理致します。

ヴィヴィアンウエストウッドの財布修理

こちらはスライダー交換の修理事例。ファスナーテープが損傷していない場合はパーツのみの交換可能ですが、ついでにファスナーごと新しく取り変えたいという場合はファスナー交換も可能です。

 

シャネル財布のラウンドファスナー交換

シャネルのラウンドファスナーウォレット、コイルファスナーの交換。淡い色のファスナーテープは汚れも蓄積して目立ちやすいです。交換するとかなりみつが得た印象になり、ますます愛着もわいてくることと思います。

ゴヤール財布ラウンドファスナー交換

ゴヤールの財布のラウンドファスナー交換。特殊なカラーテープにも対応します。ステッチも国産ミシン糸の中からなるべく近いカラーを選定し、一目一目慎重に縫製し直します。

グッチ財布ラウンドファスナー交換

ニッケル色YKKエクセラファスナーにて交換。YKK最上位クラスのファスナーテープです。

こちらはゴールド色でのファスナーテープ交換。GUCCIも大変たくさんのご依頼いただいており、ほぼすべてのシリーズの修理実績ございますので安心してご依頼くださいませ。

 

製品メンテナンス クリーニング・栄養補給

修理のご依頼品に限り、ワンコイン¥500でメンテナンス(クリーニング・栄養補給)をご利用いただけます。泡状クリーナーで溜まった皮脂汚れを取り除き、デリケートクリーム、乳化性クリームを併用し栄養補給を行います。皮革の風合い、手触りの復活に加え、皮革製品の致命傷となる表面のひび割れを防ぐ効果があります。

 

財布ファスナー交換 料金表

※施工料は製品の状態、構造、修理に使用する素材により変動します。予めご了承ください。

・スライダー交換(補修) ¥3000~

・ファスナーテープ交換 ¥8000~

・ケア(修理+オプションの場合)¥500

・引手作製 ¥3000~

 

・その他ファスナー交換にも対応いたします!

他にもレザー・ナイロン・キャンバス素材などの鞄のファスナー交換、夫人紳士ものブーツ・ロングブーツのファスナー交換、乗馬ブーツ、革ジャンなどの特殊ファスナーの交換も沢山の施工実績がございますので、ファスナーもの製品全般のお悩み、お気軽にお問い合わせください。

 

 

【財布・革小物の修理・ファスナー素材について】

 

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財布のばねホックの修理などよくあるブランド財布のトラブルに関する記事です。

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