コロニル collonil デリケートクリーム
デリケートクリームはオイルを含むクリーム類とは異なり、成分としては一番シンプルなケア用品になります。つまり、クリーム系では一番汎用性が高い製品で、いろいろなレザー（スムース革）に対して使用していただける製品になります。
また、革靴用の色のある乳化性クリームなどで補色をする前にデリケートクリームを入れて革を保湿することで、クリームをムラなく入れやすくなったりと、お化粧の下地のような使い方も可能です。
中身はややとろみのある無色のクリームです。
色の淡いヌメ革に使用してみます。水溶性ですので浸透していき色味が変わります。
※今回は新品の仕入れたヌメ革に乗せていますが、お手持ちの既製品で何年も経年変化・表面の乾燥・雨染みなど複合的に問題を抱えた状態のヌメはもっとデリケートなケアを考える必要がある場合があります。デリケートクリームなどの水溶性の用品は一気に浸透しすぎて扱いが難しい場合があります。そういう時はコロニル社ですとドレスインプレグニーラーなどのスプレータイプのクリーナー及び保革剤を使うとやりやすいと思います。スプレー系のみでまとめるのであれば追加でオイルインの防水スプレーなども併用すると良いでしょう。
ホホバオイルやラノリンなど配合してある、オイル系のクリームよりさっぱりと仕上がり、色味の変化も抑えられるのが特徴です。
仕上がりはこのような感じ。新しい革だったのでほとんど風合いの変化は見られませんでしたが、若干の変化は出ました。今回はわかりやすいよう塗った箇所と塗らない箇所の境界を作りましたが、実際のメンテナンス時は必ず塗りムラの無いようまんべんなく塗ってあげるのが大事です。
革のコンディションにより、仕上がりの風合いは変わってきます。どんな皮革でも、メンテナンスをしていない期間が長いほどケア用品を入れた時の色味・風合いの変化は激しくなる傾向があります。
まずケアを行う際にまず何をすればいいのかわからないという方も多いですが、皮革というものは、かなり乱暴に言えば「生物の皮膚」ですから、人間と同じ、と考えれば一番簡単です。
人間の場合、体内から発生する汗などの汚れですが、革製品の場合は一番は、使用するうえで付着する手あか汚れ、それからホコリ、革靴であれば泥汚れ、汗に含まれる汚れなどですね。
私たち人間はこうした汚れをまずはお風呂に入って流します、汚れをさっぱり落とした後は、油分を落としたことと、水分が飛ぶことで皮膚表面が乾燥しますよね。乾燥を防ぐために今度は水分と油分を補給するために、美容液、乳液などを塗ります。
つまり、汚れ落とし（クリーナー類）→水分補給（デリケートクリーム）でベースを作り、油分補給・補色としてオイル配合・カラーの乳化性クリームを必要に応じて入れます。
例えば、クリーナーにオールインワンでいろいろ成分が配合されている場合はそれ一本で完結してもよいですが、基本は上記の順序に従ってケアを行うという事を覚えておくとよいと思います。