YKKの最高級クラスYKKエクセラファスナーについて
お問い合わせ頂くご依頼の中でも1,2を争うファスナー関係の修理、今回は、ファスナーという素材そのものに焦点を当ててみたいと思います。当工房では、YKKファスナーの中でも最上級クラスのエクセラファスナー(SGファスナー)での修理が可能です。このファスナーがどれくらい品質が高いかといいますと、数十万クラスの多くの一流ハイブランドでも採用されているもので、中堅クラスのブランドぐらいでは既製品でもまず使用されることはありません。つまり、YKKエクセラファスナーで修理するということはハイブランドに取り付けてもその高級感を削ぐことなく修理ができ、中堅クラスについては修理することで製品のレベルをグレードアップさせることができるわけです。
ファスナーにはダブルとシングルがあり、製品によりこれを使い分けます。上の画像ですと5番のSGダブルのGOLDという感じです。
細めの3番も財布の修理でよく使いますが、YKKスタンダードの3番は海外製ファスナーに比べ少し幅が細く、違和感が出てしまいます。
その場合、当工房では少し重厚感のあるSGシリーズの3Yという規格を使います。これはルイ・ヴィトンに採用されているものと同じで高級ラインにしかない番手になります。これが海外ファスナーの金属ムシのサイズ感に非常に近いので違和感のない修理ができて大変おすすめです。
修理例を見てみましょう。ファスナー交換とスライダーの引手作製のご依頼。
HEADPORTERのラウンドファスナーウォレット、ポーターの系列ブランドですが、使用されているのは一般的なYKKのスタンダードクラスのファスナーですね。
最上級のシリーズとスタンダードでは原価が10倍くらい変わりますので、よっぽどのハイブランドでしかなかなか使用されていません。修理屋となるとなおさら、ほとんど使用している店がないレベルです。
YKKエクセラにて交換し、重厚感のある雰囲気が出ました。
レザーはなかなか上質なものが使用されていましたので、これまた高級ケア用品のコロニル1909シリーズでケアを施しました。これでオリジナルの状態よりもさらにグレードアップしてまた長くご愛用できる状態になりました。
長年の仕様で、まるでこってり系ラーメンの表面のように濁った手垢の層が膜を張っていましたがかなりクリーンな状態に復帰できました。手垢汚れのテカリを放置して、それを革のエイジングだと思ってらっしゃるお客様は結構多いのですが、それはただただ自分の手垢がギトギトにテカっているだけですよ!と声を大にして言いたいです。。
良い材料を使って修理するのはもちろん大事ですが、修理箇所以外のトータルのケアをして寿命をできるだけ伸ばしてあげることも大事です。後々のことまでしっかり計算をした施工をして、初めて修理してよかったなと思っていただけるんじゃないかと思います。
修理の際の皮革ケアは¥500と、ワンコインでできますので、ぜひご利用いただきたいと思います。