今回は、ダレスバッグに底鋲を取り付けるカスタマイズについて。実はダレスバッグ専用の底鋲というものがあります。
ダレスバッグはマチが突き出していて一般的なリベット式の底鋲を打つことができません。なのでマチの部分に直接噛ませるようにして取り付ける鋲を使用します。
バッグ側面に直接挟み噛ませて固定する構造のため、バッグに跡は尽きます。
底鋲取り付け箇所ですが、四か所止めか、+中央2か所のマチの真ん中に2つ止める6か所止めがきれいにまとまると思います。
この金具、もともと取り付けている製品も多いのですが、ついてないものもあります。底鋲の無い製品はやはりマチに直接ストレスがかかりますので、鞄の変形、長い間で見ると破損の原因にもなります。
既製品の場合マチは顔料でフィニッシュされている場合が多いです。厚みのある顔料塗膜が本体へのダメージを防いでくれるので、必ず新品の状態で取り付けなければいけない、とまでは言いませんが、コバのフィニッシュが剥がれてきたら皮革の部分にもろにストレスがかかりますので、塗膜の再生も含め鋲でさらに保護してあげるのも一つの策かと思います。
まれにマチ部分がかなり分厚く金具が合わないものがありますので、そういった製品には革製の鋲を作製することもできます。厚みのある革を巻き付けて挟み込み、ステッチラインに沿って縫い付ける形になります。本体に跡をつけたくない場合も革鋲はお勧めの方法です。
一般的な袋物のバッグにも底鋲とりつけは可能です。ただ、構造的に底鋲が機能してくれるバッグとそうでないものがありまして、鋲が機能するバッグというのは、ハリのある形がしっかりと決まっているバッグで、なおかつ底板が入っており、地面に置いた時に自立するバッグです。
要は柔らかいバッグですと、鋲を取り付けても本体が自立しないので鞄がへたって地面に設置してしまいます。そのため地面から浮かして設置しないようにするという鋲の本来の役割は十分に発揮されません。
袋ものの柔らかいバッグでどうしても取り付けたいという場合は、底板を作製して底部に仕込みそこに鋲を貫通させて取り付ける方法があります。そのあたりは実際に施工して効果が出るバッグとそうでないものがありますので、個別に要相談というところですね。