がま口のはずれ修理

ヴィヴィアンウエストウッドのがま口ウォレット。ポカーンとがま口が外れてしまっていました。がま口の金具は接着剤を使い、素材をミゾに押し込んだ後、こよりのような専用の紙をぎゅうぎゅう詰めて固定させるのですが、リペアの場合溝の中に接着剤やら、千切れて残った芯材などが詰まっており色々めんどくさい。。

接着剤は空気に触れると接着力が弱くなるので、ガタガタの面にいくら塗り込んでも満足に接着できているか厳密には分かりません。なのでちょっと工夫が必要です。

それは、がま口全体を軽くひしゃげさせて溝を狭くしてやることで、仮に接着が甘くても本体をバチバチに挟み込んで抜けないようにしてしまおうという作戦です。

本体を慎重にはめ込み、空いた隙間に詰め物を仕込んだ後、少しづつ少しづつ口金の溝を閉めていきます。厳密には金具を変形させてしまっているのですが、念には念を入れてこの工程を行っておいた方が、後々再発する確率がグッと減るのではないかと思います。リペアの仕事をしていますと、なかなか100%元通り!というものばかりではありませんが、何とかそれに近い形にできないだろうかと、日々研究しております。修理してお渡したその瞬間だけでなく、修理したからには使ってナンボですから劣化の心配はないか、強度は問題ないか、など後々のことも意識して修理しなくてはなりません。

アフターです。いろいろ言ってますが、パッと見た感じはそんなに変わってないと思います。

しかし、縫製をかけていない構造というものは比較的ストレスに対しもろい一面がありますね。

まあ、いろいろな構造の個性的なアイテムがあるからこそ、お客様それぞれお気に入りのものを見つけて購入されて、愛用されて、壊れた時に修理しよう!と思ってくださると言う事もあるので、僕らもできるだけいろいろな製品の修理に対応できるよう精進せねばと思う次第です。

ちょっと脱線気味でしたが、がま口の修理紹介でした!

 

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