CHANEL バッグの倒れたハンドルを自立させる 補正施工

ヒロナガ鞄修理工房です。今回は大変ご依頼・ご相談が多いCHANELのマトラッセなど鞄のハンドルが折れてしまった・自立しなくなったというトラブルについて施工例を交えてご紹介します。

シャネル 鞄 ハンドル 修理

初めに、このようなタイプのバッグの構造の解説をしますと、ステッチラインのちょうど手前まで丸手芯材が入っており、実際に縫い込まれているのは表の革だけだったりします。製造時の機械縫製ですと、丸手の大きい段差をまたぐのを避けたいためか、芯材ごとステッチをかけてしまうことはあまり無いと思います。

新品の製品や、革が比較的新しく繊維のハリを保っている間は全く問題ありません。しかし、3年、5年と経年変化するにつれて革の繊維がほぐれて、ハンドル全体がだらんと垂れ下がってしまいなんとなく不格好な姿に。

破損した状態でなければ、使用には問題ないのですが、実際のところ、やはり見た目が気になるという事でハンドルの自立補正を希望される方が多いです。

では次に、実際の施工事例をご紹介します。

こちらが修理後のアフター。まず、ハンドル付け根の四か所すべて解体し、表のレザーに損傷がみられる場合は補修をした後、元のステッチラインよりも少しだけ余分に入れ込んで中の芯材ごとステッチで縫い込んでしまいます。この場合、ミシンでの機械縫製はできないので全て手縫いで仕立てていきます。

シャネル ハンドル 修理

不思議なものでハンドルの自立補正をするだけで、くたびれた印象のバッグが息を吹き返したように見えます。こちらの施工、美観にこだわるお客様に大変ご好評です。デメリットとしては若干ハンドルの全長が短くなります。ただし、ほんの誤差なので、肩が入らないなどといったことは無いかと思います。

マトラッセシリーズやシープスキンの保革メンテナンスもセットでしてやると、革がふわっと柔らかくなり、皮革のメンテナンスをして水分と油分のバランスを保っておくことで雨染みのトラブルやひっかき傷などもつきにくくなります。こういう理由から当工房では皮革ケアを重要視していますので、数千円台で提供する用品によるクリーニング・保革サービスを一律ワンコイン500円で行っています。このサービスを提供するためにコロニル社を中心に一万数千円程度のケア用品セットでメンテしますので、ぶっちゃけるとほぼ利益ありません(笑)それだけお得なサービスという事ですのでぜひご利用いただきたいなと思います。

皮革ケアはカラーリング施工などと違って画面上の見た目の変化をアピールしにくいところもあって、あまりピンと来ないかもしれないのですが、人間でいうところのエイジングケアのような役割を果たしてくれます。

今回はシャネルのバッグ、ハンドルの自立補正の施工事例を紹介しました。では、次回の投稿をお楽しみに。

 

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